金属洗浄、研磨、表面処理の有限会社 橋口商工社

有限会社 橋口商工社金属洗浄、研磨、表面処理の橋口商工社
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金属部品の洗浄承ります 橋口商工社
日刊工業新聞(1994年9月24日 掲載)

フロン、エタン全廃先取り



〔沼津〕九五年のフロン、エタン全廃に向けて、産業界の洗浄方法がクローズアップされているが、橋口商工社(静岡県沼津市大諏訪812の1、社長橋口勝男氏、TEL.055-921-6751)の“ポスト95”を先取りした工業部品の洗浄事業が軌道に乗り出した。この事業は、いわば“金属版クリーニング業”で、全国的にも珍しい。フロン対策に手詰まりの産業界を逆手に取ったニュービジネスだけに、今後の展開に期待を寄せている。



『超振動式』の装置採用 新サービス軌道に


金属洗浄に欠かせない特定フロンやトリクロロエタンの製造が九五年で全廃されることから、大手メーカーを中心にフロンやエタンに代わる洗浄設備の導入を急いでいるが、大半の企業はどの設備がいいのか迷ってしまっているのが実情。まして低コストですんだフロン洗浄設備と違って、代替設備は数百万円から数千万円の投資となるだけに、中小企業の中には模様眺めのところもある。その一方でフロン洗浄の部品の納入を認めないという親工場も現れ、産業界は混乱気味。
橋口商工社では金属部品のクリーニングという新しい事業を、九四年から開始している。導入した洗浄機は、日本テクノ(東京大田区)が開発したばかりの超振動指式脱脂洗浄装置三セットと乾燥機、遠心脱水機などで、設備投資額は約一千万円。超音波や高圧水洗浄あるいは有機溶剤という方法に比べて、水とワークを振動することによって袋穴の切りくずまで取れるとあって選んだという。





[経営]金属部品の洗浄を事業化 フロン・エタン全廃を先取り
中小企業情報No.128



金属洗浄に欠かせなかった特定フロン、トリクロロエタンの生産が95年いっぱいで全廃される。残された時間は1年半しかなく、中小企業にとってこれに代わる洗浄システムをどう構築するかが頭の痛い問題になっている。そんな企業の悩みを先取りし「金属部品の洗浄承ります」というニュービジネスが産声をあげた。橋口商工社(静岡県沼津市大諏訪812の1、社長橋口勝男氏、電話055-921-6751)がその会社で、創業してわずか4カ月で収支トントンと、順調なスタートを切った。全国的にも珍しい“金属のクリーニング業”である。



わが国で最初の金属洗浄業

橋口商工社は、それまでメッキ工場に勤めていた橋口氏が、工場長の肩書を捨てて興した脱サラ企業。93年秋頃から準備を進め、94年1月に事業をスタート。金属部品の洗浄を選んだのは95年のフロン、エタン全廃を控えて産業界が混乱状態に陥っているのを目のあたりにしたからだ。
揮発性の強いこれまでのフロン、エタンなら洗浄設備も比較的安い投資ですんだが、これに代わる超音波や水(高圧水、純水など)、溶剤では排水や回収などの設備を含めた費用は大幅に増え、トータルコストも高くなる。このため中小企業の中には模様眺めの状態を続けているところも少なくない。それでも、代替洗浄設備切り替えに伴う産業界の投資規模は数千億円をいわれるだけに、不況下にもかかわらず多くの企業が洗浄機の分野へ参入している。
こうしたメーカーの乱立で、ユーザーにとっては選択の幅が広がっているだけに迷いの種も増えている。「もう少し待てば、より安くていい洗浄機が出てくる」との気持が強いからだ。資金力の乏しい中小企業にとっては、最低でも数百万はかかるといわれる投資には慎重にならざるを得ない面もある。
その一方で、フロン洗浄した部品の納入は認めないという親工場も現れており、下請けメーカーは四苦八苦している。橋口商工社はそんな産業界の手詰まりに目を向けて、金属洗浄業を開業することにした。「金属洗浄業は、恐らく当社が日本で最初ではないか」と橋口氏。「将来、各工場で洗浄設備を持つようになっても、モノによっては自前の洗浄機に向かないものもある。そうしたモノや精密洗浄は外に頼まざるを得なくなるだろう。家庭に洗濯機があってもクリーニング業が成り立つように」とみている。



超振動式のシステムを採用

いうなれば“金属クリーニング業”の旗揚げである。といっても、当初どういった設備にするかは、大いに迷った。多くの設備を見学したり、専門家の意見を色々聞いたすえ、最終的に白羽の矢をたてたのは、日本テクノ株式会社が開発した超振動式脱脂洗浄システムを選択した。
同洗浄法は、振動モーターで起こす振動を槽の上に固定した振動枠に伝達し、枠に直結した多段式羽根ので槽内の洗浄液(水と洗剤)を3次元的な動きで乱流、かくはんする方法をとっている。これにより金属の表面や内面に付着している油分や汚れを素早く取ることができる。泡が出ず、油分もエマルジョン化して表面に浮いてこないし洗剤の寿命は煮沸脱脂する方法に比べて10倍以上という。



一軒ずつ訪ね歩いて受注

それ以上に決め手をなったのは「(振動の働きで)袋穴の切りくずまで取ってしまうこと」(橋口氏)である。長年メッキ工場で働いた経験から「これが一番」(同)と、先発の超音波や水の洗浄法を退けた。
この装置を銅やアルミなど金属の種類別に洗浄できるよう3セット導入するとともに、遠心脱水機、乾燥機などの付帯設備もそろえた。投資額はざっと1,000万円である。日本テクノにとってもこの装置を多くの人に知ってもらう場にもなるだけに、直販の原則を崩して例外的に同社を代理店とし、販売に協力をしてもらうことにした。
心配の種は、洗浄だけを外注に出す企業がどれほどあるのかということと、価格をどう設定するかであった。新しい事業だけに不安は大きかった。地元に顔があったわけでもない。洗浄を必要とする企業を一軒づつ訪ね歩いての受注活動だった。当初は半信半疑でテスト的に少量を発注する企業が多かった。しかし、そうした企業も洗浄効果やコスト低減に役立つことがわかり少しづつ固定客になり、現在はその数は10社を数える。効率的に洗浄できるよう固定客の部品に合わせた洗浄用治具も備えた。収支も4カ月でトントンとなった。今後は固定客をさらに増やして利益の出る企業にするのが最大のテーマである。
同時に「いま人手に頼っているところを自動化し、機械の稼働率を高めることで人件費を抑えて、コストダウンを図ることが目標」(同)という。
問題は、あまり高い工賃を取れないだけにマーケットとなる地域をどれだけ拡大できるかという点だ。輸送コストとのバランスであり、将来的には洗浄工場を各地に分散立地することも一つの戦略といえよう。
それ以上に決め手をなったのは「(振動の働きで)袋穴の切りくずまで取ってしまうこと」(橋口氏)である。長年メッキ工場で働いた経験から「これが一番」(同)と、先発の超音波や水の洗浄法を退けた。





円高をはねかえす静岡県の企業
日刊工業新聞(1994年9月21日 掲載)



長い不況に苦しんだ静岡県産業界もここへきてようやく明るいムードが漂いはじめた。所得減税に加え、猛暑による消費への刺激、不況疲れからくる設備の更新需要など要因は様々だ。しかし相変わらずの円高で輸出関連産業は苦戦を強いられ、製造業の空洞化が懸念されてもいる。穏やかな回復局面とはいえ、業種によっては跛行(はこう)色の強い空模様。県下でもユーザーニーズにこたえた製品、ニッチ産業、ニュービジネスといった分野で不況知らずの企業は少なくない。

95年特定フロン全廃を先取りした金属洗浄機は大受け
…沼津市の橋口商工社で
円高をはねかえす静岡県の企業





時を斬る!ニュービジネスの”金属部品クリーニング業”登場
ビジネスズームアップ(1994年12月11日 TBSにて放映)



【企業リポート】金属洗浄に欠かせないフロン、エタンの生産が1995年で全廃される。中小企業にとって。これに代わる洗浄システムの導入は、機種の選定や資金面で頭の痛い問題となっている。
そこで、これを先取りしたいわば”金属専門のクリーニング業”ともいうべき橋口商工社(静岡県沼津市)が登場した。95年1月にメッキ会社の工場長を脱サラして創業したもので、収支はトントンだが、滑り出しは順調という。
番組では、問題解決をニーズと捉えた創業者の発想と実践への諸条件をリポートする。
【ワンポイント情報】中小企業物流効果率について